王墓山古墳
【おうぼさんこふん】

6世紀前半から後半の大形横穴式石室墳。倉敷市日畑の庄パークヒルズに所在した。足守川下流の西岸に面した標高47mの王墓山丘陵に分布していた63基の古墳の1つで,その中心的所在。明治36年以来3回にわたって発掘され,石棺は移され,遺物は東京国立博物館に納められた。墳丘・石室とも破壊されて,形態・規模の詳細は不明。石棺は組合式の家形石棺で浪形石製。蓋は四柱屋根形で長さ210cm,幅推定96cmと90cm,棟の平坦部の幅は8~10cm,平の側の斜面下端に縄掛け突起が2つずつ造り出されている。棺身は深さ205cm,幅は下端で97cmおよび90cm,内法は長さ175cm,幅72ないし62cm,深さ62cm。妻の側の側壁下端に枘穴が掘り込まれている。平の側壁は妻の側壁に挟まれる形になっている。出土遺物は中国製画文帯四仏四獣鏡1,金環1,銀環2,金銅筈2,勾玉1,ガラス小玉11,大刀3(うち圭頭様素環頭柄頭付1),刀子7,槍2と矛4(槍と矛には石突が伴う),鉄鏃23(その形態からは平根4種と尖根1種に分類できる),挂甲1,鉄地金銅張鋲留短甲1,衝角式冑,轡1,釣鐘形鏡板1,楕円形鏡板1,鞍金具1組,雲珠2,飾金具27以上,杏葉12以上(釣鐘形と楕円形の2種がある),木心鈴板覆輪鐙1,鉄製輪鐙1組,須恵器約50,土師器3以上,釘,鎹,木片,赤色顔料である。昭和34年県史跡に指定された。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7182502 |





