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河本ダム
【こうもとだむ】


新見市金谷と阿哲郡哲多町宮河内にまたがるダム。西川の本流で,本郷川との合流点より約300m上流を堰止めてつくられた工業用水・洪水調節・発電の多目的ダム。中空重力式コンクリートダムで,堤高60.0m,堤頂長258.6m,直接集水面積225.5km(^2),湛水面積0.8km(^2),総貯水量1,735万m(^3)。岡山県が高梁(たかはし)川総合開発事業の一環として,昭和39年に完成。ダム建設に伴い河本・川の瀬など家屋22戸,耕地14.6haが水没した。利水目的の第1は工業用水の確保で,昭和30年代に入り新産業都市の指定を受けた県南地区のうち,高梁川河口左岸を中心に広がる水島臨海工業地帯への工業用水確保の必要が生じ,6月中旬から9月上旬にかけて1日当たり12.25万m(^3)の工業用水を供給する。第2は治水で,高梁川は県内三河川では最も洪水による被害の多い河川とされ,昭和9・20年には大きな被害を出した。そこで洪水期間(6月16日~10月20日)には制限水位を設けるとともに治水容量500万m(^3)を利用し,ゲート操作により計画高水量毎秒375m(^3)カットして洪水調節を行い水害を防止する。第3は発電で,水力資源の有効利用と地域産業発展のため新見市金谷の西川が高梁川本流に合流する地点に新見発電所が建設されている。最大出力1万900kw,常時出力1,200kwの発電を行い,中国電力に供給している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7183700