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藤戸寺
【ふじとじ】


倉敷市藤戸町にある寺。高野山真言宗。補陀洛山千手院と号す。本尊は千手観世音菩薩。「藤戸寺縁起」によると,慶雲2年に藤戸の海中から仏像が出現し,堂山に安置したところ霊験が現れたという。天平年間,児島を巡錫していた行基が,堂山に千手観世音を本尊として藤戸寺を創建,みずから開山となったという。のち聖武天皇の勅願寺となり,大同元年坂上田村麻呂に命じて寺を修造。元暦元年藤戸合戦の後,佐々木盛綱が先陣の功によって児島を賜り,当寺を修復。源平合戦の死者と渡海案内の浦男を追悼する法要を行い,寺の前の小島に供養塔を建立。以後,島を経ケ島と呼び,寺紋に近江源氏佐々木氏の紋所四ツ目紋を用いるようになった。寛元元年建立の石塔五重塔(県重文)は総高355cmで,源平供養の伝承をもつ。戦国期天文・天正の2度,兵火に遭って灰燼に帰し荒廃したが,江戸期に岡山藩主池田氏の保護を得て再興。寛永8年本堂再建,天明元年同改築。同年祖師堂建立。寺領は29石余(備陽国誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186371