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福栄村
【ふくえそん】


(近代)昭和30年~現在の阿武(あぶ)郡の自治体名。大井川上流域,同支流福井川流域および阿武川支流佐々連川流域に位置する。福川村・紫福(しぶき)村が合併して成立。福川村の3大字を継承。なお,旧紫福村域は大字なしの地域であったが,昭和30年同地域をもって紫福が起立し,合計4大字となる。村名は,旧村名に共通する福の字を冠して名づけられた。役場を福井下に設置。旧紫福村役場を支所とする。世帯数・人口は,合併時1,429・7,301,昭和60年991・3,322。昭和45~50年,県営阿武川ダムの建設が進み,佐々連・仮館・清宗の62戸が水没地域となり転居,昭和50年ダム完成。昭和35年福川中学校半田分校は半田中学校となり,同51年廃止。福川小学校の分校は,昭和40年山崎分校,同43年鳴尾分校が廃され,同56年半田小学校と平蕨分校ともに廃止。産業は農林業を主体とし,同60年の農家数782,うち専業農家62,農家人口2,939。経営耕地面積は田7万3,759a・畑8,901a・樹園地1,162a。昭和59年の収穫量は水稲3,629t,タバコ122t,白菜470t,メロン49t,スイートコーン20t,ブドウ42tなど。村の総面積の約80%が山林で,私有林5,196ha(67.6%),村有林1,887ha(24.6%),公社・部落有林など584ha(7.8%)。昭和59年の林産物の生産量は素材6,378m(^3)(針葉樹4,028m(^3)・広葉樹2,350m(^3)),木炭6t,竹材3万7,000束。昭和43年以降,農業生産基盤の整備が進み,第1次農業構造改善事業として羽賀台の開発によって羽賀台生産組合による共同経営が発足。また県営総合農地開発事業によって平蕨台が整備された。昭和51年以降,農村基盤総合整備パイロット事業の実施による紫福地区の改善,新農業構造改善事業による福川地区の改良,さらに昭和56年以降,県営ほ場整備事業などが進んでいる。平原台農園は組合員の共同経営で,クリ・ブドウを植栽して観光農園としてにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7194340