総社浜
【そうじゃはま】

坂出(さかいで)市の東部林田町に所在した塩田。綾川の東側に林田浜と高屋浜に挟まれ,東西に長い。築造者は森埼紹・浜本清・広瀬小三郎らで,明治35年2月7日,総社塩産株式会社(資本金6万円)を設立,同年7月28日,塩田築造に着手した。工事は難航し,また,資金にも苦労したが,同36年6月15日完成。築造当初の面積は28.87ha。会社は浜を小作させ(半塩戸単位による小作で,17塩戸),採鹹は入浜式,煎熬は石釜で実施した。明治41年,石釜を井上式金釜に改良。昭和17年4月1日,会社と小作人とで総社製塩工業組合を設立し,翌18年8月,総社塩業組合に改組。同24年7月,会社側が組合を脱退,翌25年2月,総社塩業協同組合に改組。同26年11月,塩田の一部(14軒前,約26.7ha)を会社側から組合側へ売却し,会社直営は3塩戸,組合員の自作は14塩戸となった。同27年8月,新興塩業組合に加入し,煎熬を廃止し,鹹水の販売のみを行った。同29年9月,台風15号により堤防が決壊し塩田が冠水,この復旧作業を契機として,流下式への転換工事を実施。南海地震(昭和21年12月)の被害も受けたが,一般に生産性は高く,特に入浜塩田時代の生産高は,1ha当たり140~160tと,全国的にみて最高水準であった。同47年の塩田廃止時の面積は32.6ha(会社6.4ha・組合26.2ha)。跡地の転用面積は38.7ha(公共用地10.8ha・住宅用地17.4ha・工業用地10.5ha)。現在,さらに北側海面の埋立て造成地を加えた利用計画が進行中。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7198911 |





