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松崎浜
【まつざきはま】


三豊郡詫間町,荘内半島の東側に位置する三野津湾の南東部,高瀬川の河口に細長く築造された塩田。詫間村の収入役安藤栄作が計画し,山地覚治(仲多度郡)をはじめ,多くの協力者を得て,明治35年4月20日着工し,翌36年5月20日竣工。同時に,松崎塩田株式会社(資本金10万円,社長吉田利助)を設立,6月1日会社として塩田経営を開始した。築造面積は29.6ha。約5万8,600円の費用を要した。採鹹は入浜式,煎熬は平釜式を採用したが,昭和15年には蒸気熱利用式に改めた。採鹹は当初から小作請負制で実施されたが,昭和11年12月,会社直営となる。操業初期の明治末期以来,たびたび,暴風雨や,高瀬川の氾濫による被害を受けたが,同21年12月21日の南海地震による被害は特に大きく,完全復旧まで1年3か月を要した。同25年から真空式への転換を実施したが,同33~34年の第3次塩業整備により廃止された。廃止面積22.9ha,跡地は住宅地および木材工業用地などに利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199773