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北灘湾
【きたなだわん】


北宇和郡津島町北部の入江。延長5km・幅1.5km,水面の面積は約8.5km(^2)。水深は20mから40m程度,底質は細砂・小砂を主とする。湾の東端は岩松川の土砂の堆積が著しく,その干潟を利用して,昭和36年26.2haの若松干拓地が造成された。湾は藩政期以来,北灘浦の地先漁場で,現在は北灘漁協の漁場である。寛文6年の吉田藩士の調査によると,北灘浦の網代は21か所,網船14隻・小船25隻となっている。また明治末年の「北灘村誌」によると,網代35か所,網船22隻・漁船25隻となっており,網の種類には鰯刺網・鰯沖取網などが記されている。鰯網は各集落ごとに網主―網子の関係で営まれていたが,昭和30年代に入ると,鰯漁は衰退し,養殖漁業が取って代わった。養殖漁業は昭和30年代の初めに三重資本の伊予真珠が進出してきて始まる。地元漁民による養殖漁業の開始年は,真珠母貝養殖が昭和32年,真珠貝養殖が同37年,ハマチ養殖が同38年,タイ養殖が同39年。同52年現在の経営体数は,真珠母貝86・真珠貝44・ハマチ61・タイ25。現在の漁業収入の85%は養殖漁業で,北灘湾内は真珠筏とハマチのいけすが埋め尽くしている。養殖漁業は今や過密状態になり,潮の交換の少ない湾内の漁場を急速に荒廃させたため,北灘漁協は昭和51年から湾外の大浜地先に浅海漁場開発事業を進め,ここにハマチとタイのいけすを移動させ,蘇生させた湾内は真珠の専用養殖漁業場としようとしている。この事業は国庫補助事業で工費21億円,完成は同56年の予定である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201117