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新井堰
【あらいぜき】


土佐郡土佐町にある堰。江戸期,土佐藩奉行野中兼山の施策によるもので,新井閘によって新井溝に導入される。「南海之偉業」によれば,新井溝は,「土居村(現土佐町土居)字床鍋ヨリ起リ蜿蜒屈曲シテ境村ヲ穿流シ長岡郡田井村字三島ニ入ル」と見え,長さ40町47間,幅1間半で,境村において二派に分かれ,耕田36町1反3畝6歩の養(用)水に供し,「本流床鍋ニ至リ巨大ノ溝巌石ヲ鑿裂シ凹形ノ溝流ヲ為ス所甚タ偉ナリ」とある。新井堰については,森川(地蔵寺川)の字床鍋にあり,長さ19間,幅2間半,高さ2間で,「杭柵ヲ以テ作レリ」と見え,新井閘は,土居村字床鍋にあり,長さ28間,幅5間半,高さ2間1尺で,「構造木材ヲ用フ」と記されている(皆山集)。新井溝の灌漑面積は宅地化の進行とともに減少し,昭和50年頃に約32ha,同60年頃には約24haとなり,灌漑水路と家庭排水路を兼ねている。新井堰は現在改修され,コンクリート製となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203843