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市野々川
【いちののがわ】


旧国名:土佐

伊与木川の支流市野々川流域に位置する。集落は市野々川に沿って点在する。地名については,市は石を,野々は奈野の転訛で原野を意味するともいい,伊与木川と市野々川の合流点で海の幸と山の幸の物々交換をした市の名残であるとする説もある。なお,慶長2年の伊与木村地検帳には「市野々村」とあり,150筆が記され,ホノギのカチハラは楮の生産地,マツノハナには伊与木城の7代城主伊与木新助実能が26代の屋敷に居を構えており,給地も多い。また弓場ノモトには「弐拾代〈下 内砂入弐代〉」とあり,弓矢の稽古を行った所とされている。寺院に宝蔵寺があり,ホノギの神谷クチ・宮ノ前は当村の産土神である天鈿女命を祭神とする河内神社の存在を示すものである。またホノギの弓場ノモトの近くに辻堂がある。当村は細長い谷であるが本屋敷18うち居宅10があり,同地検帳記載のホノギのうちマツノハナ・サルヤ・竹ノモト・田中・弓場ノモト・坂本などは現在も残っている。
市野々川村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
市野々川(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204004