上今犬名
【かみいまいぬみょう】

旧国名:筑前
(中世)鎌倉期に見える名(みよう)の名。筑前国宗像(むなかた)郡のうち。承元4年9月30日,大蔵季秀が野坂荘上今犬名の名主職に補せられているように,野坂荘内にあった(宗像神社文書/鎌遺1844)。季秀は,建保5年6月,「宗形東郷内野坂上今犬」の「先祖相伝私領田畠一所」を子の親秀に譲っている(同前/同前2322)。次いで親秀は,嘉禎2年4月9日,「宗形東郷内野坂別符上今犬村」を子の太子に譲っている(同前/同前4961)。当時,上今犬が別符となっており,村と称されたことがわかる。その後,永仁7年4月11日には,僧性円が東郷内野坂上今犬の「先祖相伝私領一所」を,甥で養子の石見房源秀に譲っている(同前/同前20031)。先の季秀譲状・親秀譲状の四至と同一であり,性円はその子孫とも考えられる。なお,建暦2年10月26日の惣地頭兼預所内舎人大江某下文には「野坂御荘今犬所」とあり(同前/同前1947),正嘉2年4月3日の安養寺田検注免除状にも「今犬名安養寺田」とある(同前/同前8207)。上今犬は今犬の別称か一部かは不明であるが,上今犬も今犬も宗像市野坂付近に比定される。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7210217 |





