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水田天満宮
【みずたてんまんぐう】


筑後市水田字井手にある神社。旧県社。祭神は菅原道真。社伝によれば,嘉禄2年京都の貴族菅原為長が後白河天皇の勅により建立し,老松宮と称したという(太宰管内志)。水田荘は太宰府天満宮(安楽寺)の荘園のなかで経済的な中心をなし,建長2年以前から安楽寺領(建長2年6月3日信全所領注進状案/鎌遺7199)として成立していた。領家は京都の菅原氏(高辻氏)で,水田荘を支配したのは菅原氏一族である大鳥居氏であった。南北朝期,大鳥居氏は水田に移住し戦国期末には600町歩に及ぶ社領を有していた(寛文十年寺院開基)。戦国期の主な寄進・安堵は天文3年菊池義宗,永禄元年大友義鎮などが行っている。天正15年立花統虎が社領183町余を安堵し,慶長元年には1,000石を寄進している。慶長6年には田中吉政が社領1,000石(田中高)を寄進,田中氏改易後,領主有馬豊氏は幕府松倉豊後守安堵状をうけて,元和7年,田中氏と同様の寄進を行った。なお,大鳥居氏は慶長4年太宰府へ移るが,江戸期を通じて当社を直接支配した。明治2年社領は上知,藩より750石が与えられたが,同4年廃止された。明治6年郷社,同28年に県社となる。現本殿は寛文12年造営で,石鳥居・石造狛犬・木造獅子頭・木造火王水王面とともに県文化財。8月25日に行われる千灯明と古式花火,10月25日の稚児風流は県無形民俗文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7214862