100辞書・辞典一括検索

JLogos

46

下方村
【しもがたむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。肥前国松浦郡のうち。平戸島中央部に位置し,西北には鯛ノ鼻・安満岳,北東には上床,西南は有僧都岳・鴛ノ岳,南には慈眼岳がそびえている。安満岳からは安満川,有僧都岳からは木ケ津川が発し,ともに木ケ津湾に注いでいる。集落は各山岳のふもとから河口周辺にかけて立地する。村名の由来は,平戸城下より南に位置し,下方にあるためと推測される。平戸藩領。平戸筋に属す。村高は,「慶長9年惣目録」1,865石余,「元禄12年郷村帳」719石余,「天保郷帳」836石余。「元禄12年郷村帳」では当村の項に親村と注記し,下方村枝村として水垂村・宝亀村・木ケ津村・大河原村・船木村・春日村,下方村新田新村として辺護原村の村名と各村高を記載し,さらにこれらの村々が「元禄郷帳」「天保郷帳」において独立した村として見えており,これらの村々は江戸初期には当村の一部であったが,江戸前期に当村から分村したことが知れる。また,「元禄12年郷村帳」では当村内の浦方として無高の宝亀浦・木ケ津浦の名前が記されている。「旧高旧領」には当村名が見えず,紐指村1,609石余のうちに含まれているものとみられ,幕末・維新期までに紐指(紐差)村の一部になった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221108