広田城
【ひろたじょう】

戦国期の城郭名。山城。城跡は佐世保市広田町に所在。松浦氏の大村領に対する番城。天正14年大村純忠が有馬・有田・波多と連合して,旧領地奪回のため早岐に攻め入り,井手平城を落とし,さらに広田城を包囲するが,松浦隆信・鎮信により大村領宮村まで押し返された。小森川に沿った丘陵の頂部に位置し,東西250m,南北130m,標高20~45m面までの範囲が城域である。北面は小森川の急崖を自然のまま利用し,南側は急傾斜面に畝形の竪堀を入れ,東側は4本の空堀で尾根を切る。主体部は3面の犬走りを持つ段築と空堀を配し,さらに土塁を設けた東西75m,南北20mの主郭と副郭2面がある。西側の緩斜面は特別に手を加えた形跡を認めないが,大村方が攻略できなかった堅城である。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7222586 |