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小田ノ池
【おだのいけ】


大分郡湯布院(ゆふいん)町にある湖。標高760m。阿蘇国立公園のうち。野稲(のいね)岳の東麓で,東西約750m・南北400m・周囲約2kmの草原の湖。周辺の状態から火口湖と考えられている。「豊後国志」に,「小田ノ池,濶さ,南北7町・東西2町ばかり,洋洋として湖のごとし,双鶴常にすむ」とある。また,「太宰管内志」は,「由布院と此湯ノ平の堺に,山下ノ池・小田ノ池とて,昔より大蛇の住めると云池二つあり,二ノ池の間は,四五町ばかりもあるべし。二つともに,湯ノ平よりは西に当たって廿町あり,この辺を湯ノ平・鍬川野と云て,極めて深山の里なり。さて彼小田ノ池は山下ノ池よりは北にあたりてあり,小田ノ池の方に,雌虵すめるに因て,山下ノ池にすめる雄蛇,たえず小田ノ池に通うと云……小田ノ池は野中にありて,長さ二町ばかり,幅も一町ばかりあり」と記す。同じ火口湖である立石池,湿原が湖となった山下池(人造湖)と並び,湖の周辺から由布岳・城ケ岳などが眺望され,湖畔に九州横断道路(やまなみハイウエー)が通じて以来,春秋にはハイカー,夏にはキャンパーが訪れる。この小田ノ池の南東3kmに湯ノ平温泉がある。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7229471