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姶良郡
【あいらぐん】


旧国名:大隅

大隅国の郡名。鹿児島湾奥の北岸一帯に位置し,古代の大隅国姶羅郡とは地域を異にする。本来は始羅郡と書き,「しらぐん」と呼ばれたが,やがて,始羅郡・姶羅郡が混同されるようになり,近代に至って姶良郡に統一された。近世には始羅・姶羅両郡名が混用されたが,それは古代大隅半島中部に存在した姶羅郡と混同されたためである。明治4年11月14日県庁達書には「姶良郡,右ハ隅州始羅郡之儀古之姶良郡ニ而,後年ニ到リ姶ノ字始ノ字ニ誤テル証拠有之候付,右之通旧名ニ被復候条地頭江申渡,向々江モ可申渡候」と見え(旧記雑録),依然として郡名・地域ともに古代姶羅郡を継承するものと誤認しているが,これ以後郡名は姶良郡に統一された。なお,「県史」は古代桑原郡の項で「(桑原郡)答西郷は帖佐郷と書し,遂に一郡を建てゝ帖佐の郡名が起った,これが後の始羅(しら)郡であって,始羅の文字を古への姶羅と誤り,其の結果,桑原の一郡分れて二郡となったが,更に桑原郡を姶羅郡に併せたから,和名抄時代の桑原郡は大体現在の姶良郡内となって,昔時の姶羅郡名の後たるが如き感を呈するに至った」としている。
(近世)鹿児島藩直轄領,加治木島津氏領(加治木郷),および重富(留)島津氏領(重富郷)。
(近代)明治4年鹿児島県,都城県を経て,同5年鹿児島県に所属。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7236348