鳴野原
【なきのはら】

川辺(かわなべ)郡川辺町にあるシラス台地。台地面は北東から南西に緩傾斜し,標高100~145mの短冊形。面積約130ha。表土は黒ぼくと呼ばれる黒色の腐植質土壌。昭和32~34年耕地整理が行われ,茶・桑・甘藷・杉苗などの畑作地帯になっている。台地の一角に正徳6年建立の地蔵尊がある。応永24年,島津久豊と伊集院頼久の島津家内紛の古戦場の跡で,のち,島津家の分家新納氏が当地を領し,敵味方の戦死者の供養のため建立したものである。台地の東端には,清水川の刻んだ峡谷があり,シラス台地の基盤をなす阿多火砕流の溶結凝灰岩の岩壁に清水岩屋の磨崖仏群がある。高さ20m・幅260mにわたり,梵字・仏塔が刻まれ,昭和34年県文化財に指定された。この遺跡は,鎌倉中期を中心に,明治中期に刻まれたものであるが,その起源は,島津氏入薩以前に,南薩地方に勢力を張っていた川辺氏の庇護の下に平家の残党が供養のために刻んだものであるといわれる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7238570 |





