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カラ岳
【からだけ】


石垣島の東部に位置する山。方言ではカラダギという。地形図などではカーラ岳と見え,嘉良岳とも書く。標高136.0m。石垣市白保の大里集落の南約1kmに当たる。東西約600m・南北約250mの小山地で,山頂の中央部がやや低くなり,鞍の形に似ている。古生代結晶片岩類からなるトムル層の山で,カヤ・ススキなどが生い茂り,木はほとんど生えていない。空岳・枯岳とも書き,いずれも草木がないための呼び名とされる(八重山語彙)。カラ岳には順治元年(1644)に遠見番所が設けられ,航海船の見張りをした。北方約1kmのところに,雍正10年(1732)に桃里村が創建された。民謡「やうさて節」に,桃里という村は果報な村で,カラ岳を前にして富貴繁盛しており,カラ岳に登って見下ろすと,稲・粟の実りは見事である,と謡われた(八重山島歌節寄62/歌謡大成Ⅳ)。桃里村は大正3年に廃村となったが,昭和28年に沖縄本島の大宜味(おおぎみ)村などから入植し,大宜味村の「大」と桃里の「里」をとって大里と称した。カラ岳とその周辺は現在,牛の放牧地に利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240286