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浜館村(近代)


 昭和2~30年の東津軽郡の自治体名。造道村が造道・八重田の2大字を青森市に編入したことを契機に,村名を浜館村と改称して成立。役場は浜館字見取の旧造道村役場をそのまま使用する。新村発足年の世帯数457・人口2,801。浜館小学校・同校沢山分教場があり,一部は造道小学校にも通学した。青森湾岸の造道・八重田を失って,村域は深沢平野と山間地となり,米穀と蔬菜が主産物。昭和2年現在では,米7,200石・大豆200石・大根20万貫・漬菜類18万貫などを産出した(県総覧)。同3年に駒込・戸山にまたがるおよそ37万坪の田畑地に,歩兵第5連隊の練兵場が移転開設された。同6年には県営競馬場が北部の松森字佃に施設され,青森競馬が開催される(青森市町内盛衰記)。村の西側を流れる駒込川は,古くから鉱毒性が強く,流域の水田の生産力が低い原因であったが,同7年に県営駒込川排水改良事業が開始され,小金沢ダムや放水路を建設するなどして,同15年に完了した。同20年8月に練兵場は廃止となる,同24年に田代平,翌25年に梨木平など,山間地に開拓団が入植し,新しい集落も誕生。これにともない浜館小学校の両分校が開設された。同27年に青森競馬の中止がきまり,県営競馬場も廃止となった。世帯数・人口の推移は,昭和10年521・2,784,同15年574・3,651,同22年876・4,602,同27年1,270・6,770,同29年1,348・7,248。同30年青森市の一部となり,村制時の8大字は同市の大字に継承。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7252085