麻生郷(古代)

奈良期~平安期に見える郷名。「和名抄」常陸国行方郡十七郷の1つ。「風土記」に「麻生里,古昔,麻,潴水の涯に生へりき」とあり,麻の生える地としてこの里名を得たのであろう。同書によれば,麻生里の北は男高里,南は香澄里。男高里は郡(郡家)の南7里,香澄里は郡(郡家)の南20里と記されているが,麻生里については記述がない。比定地について,「新編常陸」は江戸期の「麻生・島並・小屋・石神」の4か村とし,「地名辞書」は旧麻生町にあてる。麻生町麻生に大麻古墳群や土師器を散布する飯岡遺跡・あまずみ遺跡などがある。現在の麻生町南西部,同町麻生を中心とした地域に比定される。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7271201 |