室村(近世)

江戸期~明治7年の村名。越前国吉田郡のうち。松岡藩主の居館地となった芝原江上村が,土地の丈量・再配分の過程で室村・椚村・窪村に分かれて成立。なお当村の慶長検地帳(豊島家文書)に「室分」「もろ」「むろ」などが,また慶長15年10月26日付吉野徳善寺言上書(昌蔵寺文書)では「もろ村」と見え,もとは芝原江上村の垣内の1つであった。はじめ松岡藩領,享保6年から福井藩領。当村など3か村を母体に,正保2年の松岡藩創設に伴う城下町松岡の建設が進み,いわゆる松岡八町が成立。その1つとして室町も村に隣接して形成された。村高は,「元禄郷帳」737石余,「天保郷帳」741石余,「旧高旧領」488石余。しかし地方史料は早くから433石余と記し,この高の差は町屋敷引地かと思われるが未詳。元禄10年の松岡町家数間数之帳(中村家文書)によると,室町は,街道を挟んで北側に町屋34軒,その間口計222間,南側に町屋32軒,その間口計234間。奥行は各15間であった。享保6年松岡藩が廃藩となり,同11年旧松岡家中の福井引越しが始まり,室町は室村へ吸収された。家数は宝暦7年74軒,人数は享保12年472,延享元年280,宝暦7年252と激減。町勢の衰退がうかがえる。なお寺には中世文書を所蔵する浄土真宗本願寺派昌蔵寺がある。明治4年福井県,足羽【あすわ】県を経て,同6年敦賀県に所属。「足羽県地理誌」による反別は田27町3反・畑28町3反余。同7年江上町の一部となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7334446 |





