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浅野郷(中世)


 南北朝期~戦国期に見える郷名。水内【みのち】郡太田荘のうち。鎌倉期の上浅野・下浅野両郷を合わせた郷名と思われる。明徳3年3月日の高梨朝高言上状案に,「一,水内郡大田庄内浅野郷知行分之事,彼所者高梨尾張太郎并馬場右近将監高宗・同三郎五郎入道々性・同又太郎頼村為譜代本領知行無相違地也」とあり,当郷は高梨氏・馬場氏代々の所領だった(高梨文書/信史7)。謡曲「柏崎」に「降れども積らぬ淡雪の,浅野といふはこれかとよ」とあり,14世紀以降当地は,長野盆地と越後を結ぶ交通の一要地であった(信史11)。武田氏滅亡後の天正10年7月13日上杉景勝が長沼城主島津忠直に与えた所領の中に「〈同(定納)〉一,百俵 浅野之内堀分」があり,この地はこれ以前上杉氏の直轄地であった(島津文書/新潟県史資料編5)。堀の集落は現存する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
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