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桜郷(中世)


 戦国期に見える郷名。水内【みのち】郡のうち。天文23年3月20日の下諏訪造宮取所覚に「一,桜之郷正物合弐貫五百文」と見え,当地が諏訪社下社の頭役を勤めている(桃井文書/信史12)。当郷は広瀬荘7か郷の一つであったが,ここには「落合領桜庄七郷」と記しており,広瀬荘を桜荘とも呼んだらしい。戦国期には落合一族の所領であり,元亀元年5月1日の武田信玄安堵状案によると,桜郷の内本領75貫文・新知行10貫文が立屋彦四郎に宛行われている(歴代古案/同前13)。同年9月1日には本領「桜郷内 五拾貫文」が桜孫左衛門に安堵された(同前)。元亀2年の桜知行目録によると,「桜参百貫文之都合」は,桜本領50貫・立岩若狭守本領75貫・落合越後守本領75貫・上屋対馬守50貫・立岩織部25貫・荒沢左京25貫・桜藤右衛門25貫・志田能登30貫・桜九郎左衛門20貫・立岩木工助15貫・立岩五右衛門10貫文で,落合一族の桜氏・立岩氏の所領が多い(諸家古案集/信史補遺上)。天正10年11月10日上杉景勝は桜藤七郎に桜郷内の地を安堵している(覚上公御代御書集/同前補遺上)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
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