上村(近世)

江戸期~明治8年の村名。飛騨国益田郡萩原郷のうち。天正14年から金森氏領,元禄5年からは幕府領。「慶長三郡高帳」の村高360石余,元禄検地の村高226石余・家数60軒。「天保郷帳」では272石余。「後風土記」によれば村高271石余・家数52・人数275。産物は米・稗・麦のほか繭410貫・生糸123把・紬50疋。村内の諏訪神社は天正14年金森氏の飛騨領国に当たり,諏訪城構築のため萩原より遷座。除地1反8畝余があった。寺院に臨済宗妙心寺派大覚寺があり,諏訪神社の別当社僧であった。鎮守白山神社は女体権現社と若宮社を合併する。御前山(1,648m)の登山口にあり,登山道筋の7か所の石仏は古来雨乞いの霊験があるという。また御前山の中腹に往古清峰寺という寺院があったが,永禄年中兵火にかかり焼失,今も焼堂平と称するという。小物成の上納金,呉服綿代銀296匁余は益田郡内で第1位であった。明治8年三郷【みさと】村の大字となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7342977 |





