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中村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。山田郡のうち。はじめ伊賀上野藩領,慶長13年からは津藩領。村高は,「統集懐録」では本高616石余・平高878石余,「宗国史」616石余,「天保郷帳」646石余,「旧高旧領」640石余。小物成は小唐竹16束・茶1斤20匁・漆42匁・綿31匁5分。「宗国史」によれば,家数94・人数436,馬27。無足人は岡崎・岡田両氏がいたが,庄屋は無足人以外の農民が勤めた。神社は初造天王・山王祠,寺院は浄土宗古渓山新堂寺,曹洞宗月峰山桂雲寺があったが(三国地誌),桂雲寺は明治7年に堂を新堂寺に移し廃絶。新堂寺は寛文年間曹洞宗に改宗,天保4年広禅寺25世を勧請して法地開山した。貞享2年川北領内河内谷に立会山が許され,以後毎年11月15日には山手振舞として,川北村の庄屋・年寄・組頭1名を中村に招待した(中村文書)。明治4安濃津【あのつ】県,同5年三重県に所属。明治初年の戸数79,うち農業73・農商兼業4・工業2(地誌上申書)。同22年山田村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7366526