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泉村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。甲賀郡のうち。東海道筋の村であった。天正13年豊臣氏領となり,水口【みなくち】岡山城主中村・増田・長束氏とそれぞれ領邑され,関ケ原合戦で長束正家が滅んで後は徳川氏の領地となった。松下孫十郎・林伝右衛門の支配を経て,天和2年以降水口藩領,幕末に至る。村高は「寛永高帳」1,163石余,「元禄郷帳」「天保郷帳」でも変わらず,「旧高旧領」では1,175石余に増加。享保10年から東海道水口宿に定助郷を命じられた。杣大工の大鋸高役が課せられていた。正徳2年の戸数153・人口797,うち百姓144軒・水呑百姓9軒で全部農家。田は6,842畝,畑は647畝で9対1の割合。寺院に弘仁4年の開山という天台宗泉福寺延命院があり,ほかに浄土宗蓮台山浄品寺。神社は日吉神社。明治5年滋賀県に所属。同9年,白水学校が開校。同13年の戸数142・人口660,牛27頭。田94町弱・畑5町余(うち茶園1町余)で,製茶は3軒,500斤,干瓢は50軒で約50貫を生産した(物産誌)。同22年甲賀郡柏木【かしわぎ】村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7368770