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滝村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。甲賀郡のうち。慶長5年幕府領,享保3年遠江浜松藩領,正徳3年丹後宮津藩領となり,一部が旗本高木氏領・横田氏領となり幕末に至る。検地は慶長7年,延宝7年,元禄3年など。村高は1,085石余(寛永高帳)・1,075石余(元禄郷帳・天保郷帳)・1,049石余(旧高旧領)。助郷は東海道土山宿に出役。幕末,年貢の未進と借財が返済不能になるほど困窮して安土【あづち】称名寺への喜捨を断わった(滝共有文書)。寺院に,天台宗竜福寺,浄土宗称名寺,真宗正覚寺・元竜寺がある。慶応年間以降,売薬を副業とするものが急増。明治5年滋賀県に所属。地租改正以降,池田村(現甲南町)との間に立会山について相論があった(滝共有文書)。同13年の戸数119・人口662,すべて農業で,かたわら茶を製し,小間物・荒物などの商いを行うものがあり,呉服・太物・売薬などをもって山城・播磨【はりま】・美作【みまさか】に行商に出た。同年の田地79町6反・畑地11町(うち維新後に播種した茶園が1町1反)・山地87町5反。製茶業は6軒で310斤を製造,干瓢は50軒で16貫製造(物産誌)。明治22年甲賀郡油日【あぶらひ】村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7371217