100辞書・辞典一括検索

JLogos

37

検定芝(中世)


室町期に見える字名山城国愛宕【おたぎ】郡中村郷のうち賀茂別雷神社領室町後期の賀茂社往来田古帳(応仁元年写)に,民部大輔・刑部少輔の往来田各1反の在所を「中村郷ケンチヤウ(定)カ芝」と記しているのが初見刑部少輔往来田は別本の往来田古帳(年月日不詳,断簡)に見える菊一大夫往来田と同一であるが,こちらには「検定芝」と表記されている(賀茂別雷神社文書)同時期の宝徳3年4月2日,中村郷地からみ帳(写)には,この字名は現れないが,上記刑部少輔往来田は地からみ帳では善千代大夫往来田となって出現することが,両帳の対照により確認されるので,地からみ帳の地図上復元の結果現左京区下鴨北芝町東端部であることが判明するくだって天正17年霜月10日の賀茂検地帳では,同一地域の田地が「天井か芝」所在と記され,江戸期(年月日未詳)の上賀茂御社領之内本郷田地麁絵図には「棗共,天井か芝共」と記載されており(賀茂別雷神社文書),戦国期を経過する間に呼称に転訛があったことが知られる明治の地籍図では,現在の北芝町東側約4分の3の地域が「天井芝」とされている




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7376010