中浜村(近世)

江戸期~明治22年の村名。摂津国東成【ひがしなり】郡のうち。慶長10年の摂津国絵図には「中浜村」,元和2年頃の摂津高改帳には「中間村」と見え,また「摂陽群談」には「世俗奈加末村と称す」と記される。元和元年大坂藩松平氏領,同5年からは大坂城代役知。村高は,摂津高改帳で246石余,摂津草高帳で259石余,「天保郷帳」「旧高旧領」ともに532石余。鎮守は,地内南辻堂にあり菊理姫命を祀る白山妙理権現(明治5年白山神社と改称)。同社はかつて当村のほか森村・鴫野【しぎの】村など新開荘北西域内に氏子を持っていたが,宝暦7年以来中浜1村の鎮守になったという。また同社祭神は歯神として知られ,歯痛治癒の霊験を求める信者でにぎわった。木村長門守重成の母大蔵の宅があったという(摂津草高帳)。明治2年大阪府に所属。同9年の戸数178・人口872。同22年中本村の大字となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7385020 |