三島江村(近世)

　江戸期～明治22年の村名。島上郡のうち。高槻藩領。高槻藩高槻組に属す。村高は，摂津高改帳では元和２年頃芥川郡のうちとして村名が見え732石余，摂津草高帳では754石余，「天保郷帳」「旧高旧領」ともに739石余。なお「天保郷帳」「旧高旧領」とも「三島江唐崎新田」として42石余が別記されている。天保年間の年貢率は６割２分であった（郡秘録／高槻市史４）。寛永年間から，淀川外堤の葭島の川中畑の領有・支配をめぐって，近隣の唐崎村・河内国出口村・三矢村と抗争を繰り返している（高槻市史４）。のちにこの唐崎・三島江立会地は新田請けされ，三島江唐崎新田と称し，領主永井氏預り地となり村民の居住はなかったという。「五畿内志」によれば，当村には「三島江ノ渡」があった。また当村の河浜の三島江浜には，京伏見過書座支配下の過書船の荷船問屋があり，大坂～伏見間の荷物運送にたずさわり，江戸末期の船株数は３から18であった（過書状と船株の変移／竜谷史壇77）。鎮守は三島鴨神社。寺院は浄土真宗大派碧流寺・浄土宗知恩院末真光寺。明治４年大阪府に所属。同９年の人口371。同12年の村誌によれば，戸数79，牛15・馬２，川舟50石未満８，物産は米・麦・菜種，農商兼業18戸。同22年三箇牧【さんがまき】村の大字となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7386418