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岩村(近代)


 明治22年~昭和34年の香美郡の自治体名。松本・岩次・神通寺・経田・蔵福寺島・包末・金地・福船・堀之内の9か村が合併して成立。旧村名を継承した9大字を編成。明治24年の戸数431・人口2,066(男1,088・女978),厩42,船5。同36年県道前浜山田線が整備される。昭和7年頃の資料によれば,面積0.24方里,耕地301町,戸数406・人口1,868,灌漑用水に恵まれ,作稲の種「庄撰」で名を知られる篤農家田所庄太郎の出た二期作の本場で米の収穫が多く,米産は8,593石・13万4,750円にのぼり,また副業の養蚕も盛んで収益は12万9,207円であったという(県誌)。同11年の生産総額29万345円うち農産27万8,788円・畜産7,467円・工産4,090円,主要生産品は米・繭(経済一覧)。昭和初期まで副業としての養蚕は盛んで,また第2次大戦後は,米作のほか園芸施設をもつ農家も増加しはじめた。昭和34年10月1日岩村は南国市に合併,村制時の9大字は同市の大字に継承。なお,同年10月7日には堀ノ内・包末・金地・福船を除く松本・神通寺・岩次・京田(立石を含む)・蔵福寺島は土佐山田町に編入され,同町の大字に継承される。字立石と市ノ坪をあわせた立石集落は大字京田の一部であるが,集落が北に離れているために住民の希望により終戦後,村議会の議決を経て京田とは別の集落として分離した行政区となっていた。岩村地域が二分されたのち,神通寺にあった岩村小学校は撤去され,南国市に編入した地域の児童は日章小学校に,土佐山田町に編入した地域の児童は船入小学校に分かれて通学することになった。また農協は分裂せず岩村農協として神通寺に残った。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7434377