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潟上(近代)


 明治22年~現在の大字名。はじめ南郷村,昭和15年からは南郷町の大字。明治24年の幅員は東西2里18町・南北9町余,戸数322・人口1,685(男875・女810),厩170,学校2,大船1・小船102(徴発物件一覧表)。明治初期の2つの人民共立小学校は同28年南郷尋常小学校に統合された。このため遠距離通学となり,当地区の人々は分教場の開設を強く求め,同29年潟上宮ノ馬場に分教場を開設した。同34年4月1日分教場は潟上尋常小学校として独立し,潟上和田に新校舎が建てられた。同40年4月には,義務教育年限延長に備えて,修業年限2か年の高等科を併設したが,翌41年に廃止となった。また,明治41年4月には,1学年から3学年までの分教場が大牟礼に開設された。大正14年4月潟上尋常小学校は潟上尋常高等小学校となった。昭和47年大牟礼分教場が児童数の減少により閉校。同49年潟上小学校は現在の脇本に移転した。同年3月,南郷葉煙草収納所を仮工場として操業開始した南郷ニットは,同年7月潟上小学校の跡地に移転し今日に至っている。製品は主としてメリヤス肌着などの衣料品である。従業員は70名。外之浦港には,海中公園マリンパーク基地と外浦漁協がある。海中マリンパーク基地は,日南海中公園を見学するためのグラスボートの発着場で,3隻が1日数回運航されている。日南海中公園は,昭和45年に指定された日南海岸国定公園のほぼ中央にあたり,南郷町を中心として日南市および串間市にまたがる海域である。出入りの多い海岸線にはビロウ樹など熱帯性植物があり,船の上から眺めるとまた素晴しい。海底にはテーブルサンゴや海トサカなどの海草類が群生し,コバルトスズメやチョウチョウウオなどの熱帯魚が生息している。外浦漁協は,昭和24年に設立された。同54年における所属漁船数は95隻で,カツオ船29隻(100t以上2隻,他59t以上),マグロ船8隻(100t以上1隻,他19t以上),曳縄漁船8隻(5t以下),一本釣船50隻(5~3t以下)。現在,地内は潟上上・潟上中・潟上下・外之浦の4行政区に分けられ,各々に区長が置かれている。世帯数・人口は,潟上上区昭和45年60・313(男150・女163),同50年56・257(男118・女139),同55年51・230(男102・女128),潟上中区は昭和45年71・365(男180・女185),同50年73・321(男153・女168),同55年74・325(男147・女178),潟上下区は昭和45年129・523(男250・女273),同50年118・473(男219・女254),同55年120・481(男232・女249),外之浦地区昭和45年433・1,790(男877・女913),同50年428・1,634(男758・女876),同55年425・1,642(男789・女853)。世帯数・人口の60%以上が漁業地域の外之浦地区に集中し,潟上川に沿う農業地域は半分以下でしかない。特に潟上上地区は減少傾向が著しい。外之浦砲台跡は町史跡に指定されている。




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「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7459941