製造業における組立て生産の形態としては、主にMTS、BTO、MTO、ETOの4種類がある。MTS(Make to Stock、見込み生産)は、メーカが受注見込数量をあらかじめ生産する形態であり、完成品は製品在庫として抱える。顧客の注文から納品までのリードタイムはBTOよりも短いが、受注数量のブレを安全在庫でカバーする必要があるため、BTOに比較して在庫量が多くなる傾向にある。同一品種大量生産の製品(一般家電など)、あるいは繰り返し受注が来る製品(自動車部品など)に向いている。 BTO(Build to Order、受注組立)は、製品受注後に部品または半製品から組立を始める生産形態で、ATO(Assemble to Order)とも呼ばれる。また、CTO(Configure to Order、受注仕様組立)はBTOの一形態であり、メーカが用意したカタログを基に発注者がオプション等の製品仕様を決定する点にフォーカスを当てている。BTOによる生産をするためには、製品がモジュール化されている必要がある。代表例としてはデルコンピュータの「デル・モデル」があげられるが、発注者が仕様決定できる点ではCTOに分類することもできる。一般に、少量多品種の生産が要求される製品(PCなど)に向いた生産形態である。 MTO(Make to Order、受注組立)は、受注してから部品調達を行い生産する。在庫数量は抑制できる一方、納入までのリードタイムが長い特徴を持つ。一般に、大型機器や設置場所が抑制される機器で、顧客ごとに一部設計が必要な場合等に用いられる。 ETO(Engineer to Order、受注設計生産)は、受注後に設計、生産を行う。在庫を持つ必要がない一方、リードタイムが長い。通常、大型産業機器やプラントの製造に適用される。
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