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CSR
【しーえすあーる】


Corporate Social Responsibility

企業の社会的責任。企業は社会的な存在であり、利潤や経済的効率だけを追求するのではないとする考え方。国際標準化機構(ISO)による規格化の動向を受けて、企業と組織の社会的責任という意味でSRとも呼ばれる。SRの国際規格であるISO26000は、2010年11月に発行した。
社会的責任を果たす最大の利点は、社会からの信頼を得ることだ。企業はそのために法律の順守と社会的な倫理の尊重を重視し、多様な利害関係者(マルチ・ステークホルダー)の利益を考える。安全で良質な製品やサービスを提供することも大事だ。日本経団連が10年9月に改訂した企業行動憲章は、こうしたCSRの考え方を基本にしている。
日本企業は以前から、メセナやフィランソロピーなどの社会貢献活動を行ってきた。さらに一歩踏み込んで、企業自らが社会に対して責任を負う「企業市民」として行動すべきであるとする考え方がCSRだ。日本経団連による09年度の実績調査では、企業の社会貢献活動支出額は1社平均4億4100万円に上る。
企業によるCSRへの具体的な取り組み内容はさまざまである。環境や地域への貢献はもちろん、製品やサービスの安全と品質の確保や消費者対応、労働慣行や人権への配慮など幅広い。また、CSR関連の金融商品も売り出されている。CSRや環境活動でブランド力の強化を狙う企業も多い。CSRへの取り組みを部品や原材料などの調達先企業にも求める、CSR調達の動きも広がっている。
CSRは欧州から始まった。EU(欧州連合)理事会は、02年7月に公表した報告「企業の社会的責任-持続的な発展への企業貢献」で、CSRの国際的重要性を認めている。CSRの考え方を徹底しながら、利益を上げる企業も数多く存在する。また、企業とNPO(非営利団体)の連携によるCSR活動も活発に行われている。




(c)日経BP社 2011
日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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