EU-ETS(欧州排出量取引制度)
【いーゆーいーてぃーえす;おうしゅうはいしゅつりょうとりひきせいど】
The EU Emissions Trading System
EU(欧州連合)独自の排出量取引制度(ETS)のこと。現在、EU加盟国にある1万カ所以上の発電設備やボイラー、生産設備などの施設が対象に指定されている。それぞれの施設に対して二酸化炭素排出量の上限(キャップ)が設定され、実際の排出量がキャップを下回った場合は余った排出量を「排出枠(EUA)」として売却できる。キャップを上回る二酸化炭素を排出している企業は、他社の排出量を買って相殺できる。
2005~07年までが第一期間、08~12年が第二期間であった。06年の全世界の排出量取引総額は約312億ドル、これが08年には約4倍の1263億ドルに急増したが、EU-ETSの取引総額はその7割となる約900億ドルに達した。13年から始まる第三期間では、排出枠を政府が企業に売却するオークション方式を採用する。排出枠の売却によって生じる歳入は、再生可能エネルギー事業などに投資する方針だ。08年から始まった京都議定書の下での国際排出量取引とEU-ETSは、それぞれ独立した制度である。
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| 日経BP社 「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」 JLogosID : 8523275 |