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TPMS
【てぃーぴーえむえす】


Tire Pressure Monitoring System

タイヤの空気圧不足を警告する装置。2000年に米国で起きたファイアストーンのタイヤ剥離問題をきっかけに、自動車の安全性に関する規制「TREAD法」が成立し、TPMSの装着が義務付けられた。
TPMSには「直接式」と「間接式」がある。直接式はタイヤのバルブと一体となった装置(送信機)をタイヤに内蔵して、空気圧と温度を計測する。間接式は、ABS用の車輪速センサーを使い、減圧することでタイヤの半径が変わることを回転数の違いとして検知する。間接式は1997年から採用が始まっており、ランフラットタイヤを多く採り入れているドイツBMW「5シリーズ」「7シリーズ」など、これまでに150万台以上の搭載実績がある。ABSを装着する車両であればハードウエアの追加が必要ないため、コストが安いというのが特徴だ。ちなみに日本では、乗り心地に影響することやコスト高などの影響で、ランフラットタイヤの採用車種は限られている。そのため間接式TPMSを採用した例も少ない。
間接式の問題点は、相対的な圧力はわかるが空気圧が何パスカルという絶対値がわからないことだ。4輪の圧力が同時に減った場合もわからない。これまでBMWなどに採用されたものは1~3輪の30%の減圧を警報するというもの。TREAD法では、空気圧25%の減圧を20分以内に検出することが求められている。また、4輪同時の減圧も警告しなくてはならない。
ただしTREAD法では実現手法を直接式に限定しているわけではなく、間接式を手掛けるタイヤメーカー各社は、間接式の改良に取り組んでいる。




(c)日経BP社 2011
日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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