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キャパシタ
【きゃぱした】


capacitor

2枚の電極をわずかな間を空けて向かい合わせ、電極間に電圧をかけると、電極の間に電荷が蓄えられるという現象を利用した蓄電装置。燃料電池自動車やハイブリッド車の補助電源として、急速に浮上してきた。自動車用として応用が検討されているのは電気二重層キャパシタと呼ばれるタイプである。電気二重層とは、電極と電解液の界面で正・負の電荷が非常に短い間隔を隔てて対向し配列する現象をいう。活性炭のように表面積の大きな物質を電極として使うと、小さい体積の中に非常に大きな電荷を蓄えることができる。
キャパシタは二次電池と異なり充放電に化学変化を伴わないため、瞬時に充放電が可能で、制動力の回生や、加速アシストなど短時間に大電流を出し入れしたい自動車用途に向くという特徴がある。物理的な現象で充放電を行うため、充放電に伴う劣化もほとんどなく、半永久的に使えるのも利点だ。
しかしキャパシタの蓄電量は、エネルギー密度で見るとせいぜい1ワットアワー(Wh)/キログラム(kg)~1.5Wh/kg程度と、鉛二次電池の20分の1以下にすぎない。このため、これまで自動車の補助電源として検討されることはほとんどなかった。ところが質量エネルギー密度を50Wh/kg~75Wh/kgに上げられる可能性がある画期的なキャパシタの開発に複数の企業が成功し、自動車の補助電源としてにわかに注目されるようになった。2005年から、まずエネルギー密度を5Wh/kg~10Wh/kg程度に高めたサンプルが供給され始めている。キャパシタの容量を高めることができたのは、内部抵抗の増加を許容するキャパシタの構造や、キャパシタを最適の充放電状態に保つ電子回路、さらに活性炭の表面積を大幅に増加させることができる電界賦活と呼ばれる技術の開発に成功したため。




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「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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