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21

{おこぜ}・虎魚
【おこぜ】


okoze

【古代】オニオコゼ科の近海魚。体は灰黒色、背びれに毒のとげがあり、魚相はみにくいが、味は美味。古称、ヲコシ。[中国語]鬼{さかなゆ}。stonefish.

【語源解説】
ヲコシ{おこし@おこし(ヲコシ)}の古称で考える。その魚相から、ヲコ(愚か)のシ(魚を示す)と命名。シはイワシ、カマス(シの母音交替)、マス、キスなど魚類にかかわる語。17世紀ごろに、ヲコシからオコジ→オコゼ(母音交替)とよぶようになる。

【用例文】
○{ふねまきざかな}魚 mini{漢語抄ニ乎(ヲ)古(コ)之(シ)ト云}(和名抄)○{さかなえ}子 mini{乎(ヲ)古(コ)自(ジ)}(新撰字鏡)○山ノ神ノ見テヨロコブナルオコシ(名語記)○{おこぜ)魚(ヲコシ)(易節用集)○{さかなまきざかな)(おこじ)を○おこぜ(嘉多言)○ヲコゼ、フグニ似テカドアリ背ニハリアリ色赤マダラナリ(大和本草)○{ふねまきざかな}、おこし、俗ニ乎(ヲ)古(コ)世(ゼ)ト云フ(和漢)○{おこぜ)魚(ヲコジ)mini{ヲコゼ}(書言字考)○山ノ神ニヲコゼヲ見セタヤウ(諺苑)○おこぜにまがふ鯱の月足らず(川柳)○ふねまきざかな(おこし)/をこぜ 漢名詳かならず、種類頗る多し(魚鑑)○をこぜ 顔色醜イ魚。肉ハ蒲鉾ニスル、=虎魚(日本大辞書)
【補説】
佐渡ではオコゼを鳥獣害をのぞくための供物として、生のまま葉に包んで山ノ神に供えるという。醜女=オコゼ=山ノ神の連想がある。⇒〈やまのかみ〉




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「語源海」
JLogosID : 8537273