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【か】


ka

【古代】多く夏にでる小形の昆虫。メスは口の長い管で人血などを吸う。子は孑{ふら)(ボウフラ){ぼうふら@孑{ふら)(ボウフラ)}。別にクチブト。[中国語]蚊子。mosquito.

【語源解説】
蚊は噛(カ)ムのカという。皮膚などのカブレ{カブレ}も〈蚊(カ)觸(ブレ)〉という(新井白石)。ただし〈気(カ)觸(ブレ)〉とも考えられるので、疑問。

【用例文】
○蚊 mini{和名、加(カ)}(和名抄)○にくきものねぶたしとおもひてふしたるに蚊の……かほのもとにとびありく(枕)○蚊觸(明月記)○将軍家御蚊觸之間(吾妻鑑)○蚊のこゑのやうなるこゑして(宇治拾)○蚊相撲 これは江州守山(もりやま)に住む蚊の精でござる/蚊遣火(狂言)○蚊(カ)(易節用集)○蚊(カ)、賤(シヅ)がふせや、堀、棒ふりむし〔ぼうふら〕、血払(ハラヒ)、団扇(ウチハ)、煙(ケブリ)、殺(コロス)、暑(アツキ)、臑(スネ)(類船集)○豹(やぶ)蚊(か)/豹(やぶ)脚(か)(西鶴)○わが宿は蚊のちいさきを馳走也(芭蕉)○蚊(か)、蚊(か)、蚊(か)、帳中の蚊(か)、汝を焼に辞をもてす(風俗文選)○蚊(か)mini{虫}(早節用集)○古井戸や蚊に飛ぶ魚の音くらし(蕪村)○蚊柱やなつめの花の散るあたり(暁台)○蚊(カ)、豹(ヤブ)脚(ガ)、蚊帳(カヤ)、避蚊火(カヤリビ)(俳題正名)○七人は薮蚊を追うにかゝって居/孑{ふら)(ぼうふら)が願ひ針ほどな蚊に生れ(川柳)
【補説】
漢字〈蚊〉は中国語音でウェン(文)で、おそらく飛ぶ音を示す擬声語であろう。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537345