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薬・葯
【くすり】


kusuri

【古代】病気をなおすために効能のあるもの。飲薬、塗薬、粉薬、膏薬、丸薬など。[中国語]薬。medicine, drug.

【語源解説】
古語に〈奇(くす)し{くすし@奇(くす)し}〉がある。人間の力でははかりしれぬ霊的なもの、そうした効能のあるものにクスリと命名。糞(くそ)、臭いと同根語。

【用例文】
○諸国、薬ヲ輸ルノ処(令義解)○わが盛りいたくくたちぬ雲にとぶ久須利(クスリ)はむともまたをちめやも(万)○薬 病ヲ療スル、則チ之ヲ薬mini{久須利(クスリ)}ト謂フ(和名抄)○{さかなのぎきた} mini{薬乃加比(カヒ)也}(新撰字鏡)○薬mini{クスリ}(名義抄)○たがためにか何事もようもなしとて薬(くすり)もくはずやがておきもあがらで(竹取)○えせものひつぎのくすりこ〔薬子・毒味の童女〕(枕)○くすりどもあまた給はせなどする(とはず)○くすり日〔採薬日、五月五日〕のたもとにむすぶあやめ草玉つくりにひけばなるべし(夫木抄)○医家(いけ)、薬(くすり)をつくし、陰陽(をんやう)術(じゅつ)をきはめ(平家)○薬種高直候之間、大薬、秘薬ハ斟酌候(庭訓往来)○神農之時カラ草木ニ三百六十種ノ薬ガデキタゾ/薬(クスリ)屋(ヤ)、薬(クスリ)酒(ザケ)(史記抄)○Cusuri. クスリ クスリヲアハスル=薬を調製する、クスリヲセンズル、クスリヲオロス、クスリガキク、クスリヲガンズルまたはマロムル/クスリガイ=家畜の治療をすること、ウマニクスリガイヲスル/クスリガイ 薬をつめる二枚貝の殻。/クスリグイ ある物を薬用として食べること/クスシユビ(日葡辞書)○薬玉(クスダマ)、薬(クスリ)子(コ)(易節用集)○行年や薬に見たき梅のはな/薬(くすり)喰(ぐひ)・薬鍋(芭蕉)○霜先の薬(くすり)喰(ぐ)ひ/生(き)薬(くすり)屋(や)、木(き)薬(くすり)屋(や)(西鶴)○遠(とを)ひ薬〔舶来の薬〕はさて置いて(平賀源内)○薬(くすり)(早節用集)○泰西葯名(訳鍵)○薬(クスリ)猟(ガリ)mini{キソヒガリ}、薬(クスリ)日(ヒ)(俳題正名)○良薬口ニ苦シ(諺苑)○薬にて直るものかよ野暮な親/薬取り甘草くってしかられる(川柳)○薬(くすり)とりに半日づゝかゝるのは人ずくなな者は難義仕(し)果(はて)るよのう(浮世風呂)○調薬(馬琴)○Medicine. クスリ(mini{サトウ}英和辞典)○薬(くすり)罎(びん)載せたる円卓(ゑんたく)(北原白秋)
【補説】
江戸期も医者で薬をもらうのに、多くの時間がかかったようである。なお医師は古く〈くすし(薬師{くすし@くすし(薬師)})〉という。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537472