経済学
【けいざいがく】

keizaigaku
【江戸時代】経済、すなわち生産・消費など生活にかかわるところを研究対象として一定の法則性を見いだし体系化しようという科学。[中国語]経済学。economics.
【語源解説】
経済は〈経世済民〉(世ヲ経(オサ)メ、民ヲ済(スク)ウ)の略語として用いた。したがって、政治、政策的な意味合いが強かったが、18世紀後半ごろからそのための基本的手段、方法として生活上の生産や消費、労働力などの問題と関連して、現代語の意味をもつようになった。その契機は貨幣経済になりつつある江戸市民社会と、当時オランダから学んだ西洋経済学による。オランダ語、huishoudkunde(家政学の意)や幕末、英語、political economyを〈経済学〉と翻訳した。英語のeconomyもギリシャ語に源流し、家事、家政を意味する。
【用例文】
○Political economy. 経済学(英和袖珍/mini{サトウ}英和辞典)○『経済小学』(神田孝平)○経済学の旨とする所は……(福沢諭吉)○ケイザイガク political economy.(ヘボン)○Economics. 家政、理財(哲学字彙)○Political economy. 治国ノ法、経済学(和訳字彙)
【補説】
〈経済〉は〈経済学〉と異なって、古典中国語としてあり、日本語の〈勝手{かって@勝手}・家事{かじ@家事}〉に近い内容。⇒〈けいざい〉

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537499 |