生理
【せいり】

seiri
【江戸時代】生きるために生物体のもつ諸臓器の現象とそれに対する原理。[中国語]生理。physiology.
【語源解説】
生命保全のための原理という意味内容から、日本でオランダ語physiologie, またはkennis der bewerktuigde wezens. から創作した訳語。
【用例文】
○案ズルニ生理ニ最モ貴要ナル部位トハ心、胃、大小腸等ヲ云フ(泰西熱病論)○聴胸器ハ生活体ニ用ヰテ……医治ヨリモ多ク生理ニ関(あず)カル者ナレドモ(扶氏診断)○各生理、衛生等ノ諸学ニ通悟セシメンコトヲ要ス/生理学(生理発蒙)○Physiology. 生理学(医語類聚)
【補説】
江戸後期、中国語の〈生理〉(厚生新編)は、商売の意で用いられている。訳書にも{すぎはひ@生理(スギハヒ)}〈生理(スギハヒ)〉(過業・仕事)とみえる。明治期の学芸用語辞典にも、〈Trade. 生理(商売)〉(英華学芸詞林)とみえる。医療の〈生理〉は日本人による翻訳、漢字語。⇒〈えいせい〉

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537701 |