カウンセリングの治癒因子

①治療構造,②専門知識,③人格(自己一致)にわけて説明する.①まず重要なのが治療構造である.時間,場所,その他いろいろな約束.治療構造がしだいに内在化されてゆく.それはクライアントが社会化されてゆくということでもある.②専門知識はカウンセリングの中心である.薬,性格,行動,症状などに関するアドバイスであったり,ともに考える姿勢であったりする.③人格の影響は患者の深層に浸透してゆく.患者の成長は実はこのレベルで起こる.ここで大切なのはロジャーズのいう自己一致congruenceの原則である.治療者自身が言葉と行動,感情を一致させ,さらには本来の自己と現在の自己を一致させることである.この点での不一致をみてしまうと患者は治療者を信頼しなくなる.②は意識のレベルへの影響,③は無意識のレベルへの影響と考えてもよい.治療者としても,②は意識的にコントロールできるが,③はコントロールできない部分もある

![]() | 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020059 |