自律神経失調状態

自律神経支配性の器官の障害を中心とし,場合によっては不定愁訴全般を含む.動悸,血圧上昇・低下,呼吸促迫,息切れ,頭痛,めまい,ふらつき,口渇,唾液過多,吐き気,嘔吐,胃痛,食欲不振,腹痛,便秘,下痢,多汗,無汗,冷汗,寝汗,微熱,顔のほてり,顔面紅潮,顔面蒼白,冷え性,手足のしびれ,手足の感覚麻痺,手足のふるえ,不眠,悪夢,全身倦怠感,肩こり,腰痛,関節痛,筋肉痛,皮膚蟻走感,排尿障害,インポテンス,耳鳴り,難聴など.また,精神面でイライラ,くよくよ,悲観的,怒りっぽい,無気力,易疲労感などの症状である.精神分裂病,躁うつ病,不安神経症,更年期障害をはじめとし,さまざまな疾患でみられる.上記症状のいくつかがみられるというだけで自律神経失調症または自律神経失調状態と診断してよいので,疾患の構造や病態にまで踏み込まない,表層的な表現である.

![]() | 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020344 |