頭部外傷
head trauma
トラウマといえば現在では心的外傷をさすことが多いが,本来は肉体的外傷のことである.脳震しん盪とう,脳挫ざ傷しょう,頭蓋内出血などを区別する.脳実質に損傷は起こっていないものを脳震盪といい,意識障害が起こる.ときに健忘を伴う.脳実質に器質的損傷が起こったものが脳挫傷であり,重篤な意識障害が生じる.そのほか損傷部位に応じた局所症状や逆行健忘がみられる.頭蓋内出血は出血部位によって分類し,脳内出血,くも膜下出血,硬膜内出血,硬膜外出血がある.受傷直後に意識障害を発症することもあるが,しばらく無症状期lucid intervalがあって,そののち頭痛・吐き気や意識障害が始まることもある.
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020503 |