脳の機能の局在性
左脳は論理で右脳は直観などといわれる.しかし,過去の脳機能局在に関する議論は,脳の局所の損傷によってどのような機能欠損が生じるかについての観察を基礎にしていた.また,ペンフィールドの実験は脳外科の手術の途中で脳の表面を電気的に刺激して,その部分の刺激がどのような結果を生むかを調べたものである.これらの手法の場合には,脳のその場所に機能があるのか,機能の中継点なのか,機能の引き金があるのか,いろいろな解釈ができる.現在はPET(陽電子放射断層法)などの装置により,生体内での活動を測定することができるようになった.しかしこれもあまり確実な所見ともいえない面がある.解釈は慎重にすべきであるという意見が少なくない.
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020520 |