脳梗塞
cerebral infarction, Hirninfarkt
脳動脈の血流が途絶えると脳組織の一部が死ぬ.脳梗塞には脳血栓と脳塞栓がある.脳血栓の場合が圧倒的に多い.脳塞栓は心臓弁膜症などで心房内に形成された栓子embolusが,脳に飛び,多くは左の中大脳動脈領域に梗塞を作るものである.青年に多く,急激な片麻痺や意識障害を起こす.脳血栓ができるのは脳動脈壁での粥状硬化による血栓形成が第一にあげられる.高血圧や高コレステロール血症が続いていると,動脈壁に傷がつき,そこから血栓が成長して動脈を塞いでしまう.はじめは一過性脳虚血発作の形をとるものが多い.そのほかに血液が固まりやすい時に血栓ができやすい.脱水になり血液が濃縮しているときや血液凝固系が促進しているときなどが危険である.一度脳梗塞で倒れて片麻痺が残っている場合で,トイレにいくのが面倒で水を意識的に制限して飲まず,脱水状態となり,結果として再度の梗塞を起こすことがある.
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020528 |