離人感の訴えの例
「ビルが並んでる景色をみても,本当かなと思う.何だか目でみただけでは信じられなくて,手で触って確かめてみたいと思うような感じ.でも,遠くにあるビルだとそんなこともできない.
街並みがどんよりとしていて,なんともいえない感じ.
自分の手が,本当に自分の手なのか,納得がいかない.指先から肩までつながっていることを確認する.動かせば動くから自分の手だなとは思うけれど,本当かなという感じは残る.
景色もガラスを通してみているようです.きれいなガラスでも,窓ガラスを開けてみると,やっぱり違うでしょう,そんな感じ.何が違うんだといわれると困る.でも苦しいくらいに違うんです.」
「自分が生きているかどうかもわかんなくなっちゃって,手首を切るでしょう,すると血がプーッと出て,その瞬間にね,ああ生きてるんだって思えるわけ.だからまたやっちゃいますよ,絶対」
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020627 |