予防(第一次,第二次,第三次)
地域精神医学または予防精神医学で大切な考え方.第一次予防とは,精神障害の発生を防ぐこと.家庭環境改善や職場環境改善が役に立つ.例えば,アルコール性胎児症候群の発生を予防するために啓蒙活動をすること.第二次予防とは,精神障害の早期発見と早期治療である.これができれば患者は外来通院で治療することも可能で,入院して社会生活を中断しないですむ.乳幼児期では発達障害を早期に発見することで最適の教育環境を整えることができる.第三次予防とは,精神障害の後遺症を最小限にとどめるために社会復帰訓練をすすめることである.例えば分裂病の陰性症状は時間がたつうちにますます固定化され社会復帰から遠ざかる.そのような事態を予防するために,興奮状態が落ち着いた時点で社会復帰療法をすすめる必要がある.
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12021270 |