オナラ
【東京雑学研究会編】
§オナラは地球温暖化の一大要因だった!
近年、世界中で問題になっている地球温暖化現象。大気中に二酸化炭素が増えると、地球の温度が上昇するのである。二酸化炭素を吸って酸素を吐き出す植物が減ると、二酸化炭素が過剰になり、大気中のバランスが崩れることはあきらかだ。昨今の暖冬は、森林の伐採や自動車の排気ガスが原因だとされている。
一方、メタンガスも気温を上昇させる要因になっている。石油や石炭、天然ガスなどの使用で排出されるほか、化学合成製品からもフロンガスや一酸化二窒素などが排出されている。さらに、沼や水田、動物の死骸などからもメタンガスは発生する。
ところが、家畜類も大量のメタンガスを発生させていることは、あまり知られていない。
草を主食とする牛などの反芻動物は、摂取した草の食物繊維を腸内で消化する過程で、多量のメタンガスを発生させる。それをゲップやオナラで体外に排出しているのだ。一日あたりの発生量は最高で約三六〇グラムで、全世界で放出されるメタンガスの総量は、約四億トンにのぼるという。
実際、大気中のメタンの濃度は、産業革命前の約三倍になり、毎年上昇しているという調査報告がある。しかし、家畜に罪はない。
当の人間もメタンガスをオナラとして、大気中にしっかりまきちらしているのである。科学者のデータによれば、人間は一日平均五二七立方センチメートルのガスを放出しているという。体積にしてコップ三杯弱だが、よく考えると、地球には約六〇億もの人間がいる。人類は毎日、三〇億リットルのオナラを放出しているのである。
| 東京書籍 「雑学大全」 JLogosID : 12670135 |