アイルランド(国のなりたち)

古くからケルト人の居住地であり,5世紀頃は数百におよぶケルトの部族国家が分立していたが,次第にグループ化され,共通の言語や社会構造を持つようになった。その間,キリスト教が伝来して各地に修道院が創建され,6~9世紀にはアイルランド修道院制度の黄金時代を見た。9世紀にバイキングの侵入を受け,さらに12世紀からはイングランドの植民支配とカトリックの弾圧が繰り返され,長く苦渋の時代を味わった。18世紀末のフランス革命等に影響されて独立アイルランドの建設と宗教的自由を求めて各地で反乱が発生したが,直ちに鎮圧され,1801年英国に強制併合された。その後もアイルランドの自由と独立の闘いは継続され,1921年アイルランド32州のうち,プロテスタントの多い北アイルランド6州を除く26州が英国自治領に昇格してアイルランド自由国となった。37年に内政自治権を獲得してアイルランド共和国となり,49年に英連邦を脱して完全独立を達成。

![]() | 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050483 |